アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。
原因となるアレルゲンを用いて行う治療法のため、原因となるアレルゲンを確定する確定診断が必要です。
アレルゲン免疫療法には、「皮下免疫療法」や「舌下免疫療法」などがあり、それぞれ長所短所があります。
治療方法 | 長所・短所 | |
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皮下免疫療法 | 皮下に注射 | 注射であるため痛みを伴い、さらに治療のはじめは徐々に増量するため頻回に通院が必要です。 |
舌下免疫療法 | 舌下に治療薬を投与 | 痛みがなく、自宅で服用できます。しかし、服用量や服用方法、副作用に対する対応など、病院で行う皮下免疫療法と比べて、より治療に対する患者さんの理解が必要です。 |
スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉症と診断された12歳以上の患者さんが治療を受けることが出来ます。
1日1回、少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を数年にわたり継続して服用します。
初めての服用は、スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと行う必要があります。
治療薬を舌の上に滴下し、2分間保持したあと、飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。スギ花粉が飛んでいない時期も含め、毎日服用します。
通年性アレルギー性鼻炎でダニアレルゲンが原因と確定診断された12歳以上の患者さんが治療を受けることが出来ます。
1日1回、少量から服用をはじめ、その後決まった一定量を数年にわたり継続して服用します。
初めての服用は、医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。
治療薬を舌の上に置き、お薬ごとに定められた時間保持したあと、飲み込みます。その後5分間はうがい・飲食を控えます。
服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。
継続して正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑える効果が期待できます。
症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
舌下免疫療法には、以下の副作用があらわれるおそれがあります。
※医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられます。
舌下免疫療法をご希望されるスギ花粉症の患者さん、ならびにダニアレルゲンを原因とする通年性アレルギー性鼻炎の患者さんは、お気軽に当院にご相談ください。
なお、受診前に次の内容をご確認ください。
アレルゲン免疫療法のより詳しい説明は、鳥居薬品のアレルゲン免疫療法専門サイト『トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』をご覧ください。