いびきは、一時的にかいているのであれば問題ありません。しかし、病気が隠れているサインの可能性もあります。長い時間いびきをかいていると、睡眠時の無呼吸症候群を始めとする呼吸障害だけでなく、高血圧、動脈硬化、不整脈、脳梗塞などの生活習慣病の原因にもなると言われています。
もちろん、睡眠時に大きないびきをかく場合ですと家族の睡眠を妨げるだけでなく、ストレスとなる可能性があるものです。
いびきをかくというだけでは体に悪いとはいえませんが、いびきによる無呼吸状態になると低酸素状態(いわゆる酸欠状態)になり、血液と脳内の二酸化炭素量が増加しますので、心臓に大きな負担がかかります。
そうすると、高血圧や心筋梗塞などの原因になり、心臓に負担がかかりますので、このような状態が続くと突然死の原因になる可能性もあります。
いびきの原因としては、口呼吸、太りすぎやアゴの骨格が小さい、疲労やストレス、飲酒、鼻や喉の病気や炎症など多くのものが考えられます。気になる方は一度ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の中の症状のひとつとしていびきがあります。
いびきをかくことはのど、はな、気道のどこかが詰まっているということなので、それがひどくなると無呼吸の症状となってしまい、体に負担がかかります。睡眠時に無呼吸状態を繰り返すと、①日中に眠くなる、②熟睡感がない、③朝起きた時にだるさを感じるなどの症状を引き起こします。
当院の診断方法としましては、鼻の診察をした後、さらにファイバースコープで鼻やのどの内部を診察します。検査としては、鼻腔通気度検査を行います。検査自体は約3~5分程度で行えます。このような診察や検査に加え、当院では携帯型の睡眠時無呼吸症候群の検査機器の貸し出しも行っています。
これによって、睡眠中の鼻の呼吸、口の呼吸(呼気)の流れ、いびきや気道を通る空気の音、酸素濃度などを記録します。近年は、自宅に持ち帰り、検査が行える小型の睡眠時無呼吸症候群の検査機器がありますので、ご相談ください。
CPAP
睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、薬物療法、CPAP(マスクから空気を送り込む装置)、マウスピースの装着があります。
マウスピースは、舌の落ち込みを防ぎ、気道を確保するためにも必要に応じて装着していただきます。CPAPは、睡眠時無呼吸症候群に有効な治療法の1つとして、現在では多くの患者さんに実施されている治療法になります。
具体的には、マスクから空気を送り込むことで圧力をかけ、気道が閉じないように強制的に空気を送り込みます。根本的な治療ではありませんが、最近では、有効な治療法とされています。
家族から「イビキの最中に呼吸が止まっている」と言われる方は、一度検査を受けられることをお勧めいたします。